性教育の中でも特に重要なテーマである性感染症(STI)とエイズ(HIV/AIDS)。
これらについて、高校生に正しい知識を伝えることは、自分自身を守る力を育むだけでなく、周囲の人々とより良い関係を築くためにも欠かせません。
この記事では、高校の保健授業で取り入れられる具体的な授業計画と内容を紹介します。
教師や教育関係者の方だけでなく、保護者や関心のある方にも役立つ内容です。
授業の目的
- 性感染症(STI)やエイズ(HIV/AIDS)について正しい知識を身につける。
- 感染経路や予防方法を具体的に理解し、予防行動を考える。
- 偏見や差別のない態度を育てる。
授業の流れ(50分間)
1. 導入(5分)
授業の始めに、生徒の関心を引くためのクイズや事例紹介を行います。例えば:
- クイズ例:
- 性感染症はすべて治療可能?(A: 必ずしもそうではありません)
- エイズは握手やキスで感染する?(A: いいえ、日常的な接触では感染しません)
- 事例紹介: “20歳の学生Aさんがクラミジア感染に気づかず放置し、不妊のリスクが高まった”など、生徒にとって身近に感じられる事例を使います。
2. 基礎知識の講義(20分)
(1) 性感染症の基礎知識
- 代表的な性感染症(クラミジア、淋菌、梅毒、性器ヘルペスなど)
- 症状の有無(無症状でも感染が広がるリスク)
- 長期的な影響(不妊症や母子感染のリスクなど)
(2) HIV/AIDSの基礎知識
- HIVが免疫力を低下させる仕組み
- 治療を受ければ通常の生活が可能であること
- 日本国内の現状と新規感染者の推移
(3) 感染経路と予防方法
- 感染経路:性行為、血液、母子感染
- 非感染経路:握手やキス、プールの水では感染しない
- 予防方法:コンドームの正しい使い方、定期的な検査
3. グループ活動(15分)
シナリオワーク:
- 例:“友人が性感染症の感染を心配している場合、どのように対応しますか?”
- 各グループで話し合い、対応案を共有します。
ディスカッション:
- テーマ:「性感染症予防のために自分たちができる行動は何か?」
- 自分自身の予防行動や他者への支援方法を考えます。
4. まとめ(10分)
- 授業の振り返り: 今日学んだことや、今後実践したい行動を生徒に共有してもらいます。
- 地域の相談窓口情報を提供: 保健所やクリニックでの匿名検査情報など。
- 教師からのメッセージ: “性感染症やエイズは誰にでも関わる問題。正しい知識を持ち、自分と周りを守りましょう。”
授業で伝えるポイント
- 性感染症やエイズは、正しい知識と行動で予防可能です。
- コンドームの使用は非常に効果的な予防策です。
- 検査を定期的に受けることで、早期発見と適切な治療が可能です。
- 感染者への偏見や差別をなくすことが大切です。
- HIVは日常生活で感染しないことを強調します。
- 感染者への配慮やサポートの重要性を伝えます。
- 相談しやすい環境を知る・作る。
- 学校内での相談窓口や保健所の利用を具体的に説明します。
最後に
性感染症やエイズについて正しい知識を持つことは、自分の未来を守る第一歩です。
また、感染者やその家族への配慮も忘れず、互いに支え合う社会を目指しましょう。
教育現場での実践や家庭での対話を通じて、一人ひとりが行動を変えるきっかけを作ることができます。
この記事を参考に、ぜひ授業や家庭での教育に活用してください!